「今、市場は恐怖と欲望のどちらが支配しているか」——それを一目で把握できるとしたら便利ではないでしょうか。CNNが公表するFear & Greed Indexは、複数の市場指標を統合して市場センチメントを0〜100の数値で示すツールです。
Fear & Greed Indexとは
Fear & Greed Index(恐怖と欲望指数)は、CNNが開発・公表している市場センチメント指標です。7つの異なる市場データを組み合わせ、現在の市場が「極度の恐怖(Extreme Fear)」から「極度の欲望(Extreme Greed)」のどの位置にあるかを0〜100のスコアで示します。
0に近いほど「恐怖が支配している相場」、100に近いほど「欲望(強気)が支配している相場」を意味します。日々更新されており、市場の短期的なセンチメントを把握するツールとして世界中の投資家に参照されています。
7つの構成要素
Fear & Greed Indexは、以下の7つの指標から構成されています(各指標は等しく重み付けされています)。
- 1.株価の勢い(Market Momentum):S&P500が125日移動平均に対してどの位置にあるか
- 2.株価の強さ(Stock Price Strength):52週高値を更新した銘柄数 vs 52週安値を更新した銘柄数
- 3.株価の幅(Stock Price Breadth):値上がり銘柄と値下がり銘柄の出来高比率(マーケット・ブレス)
- 4.プットコールレシオ(Put and Call Options):オプション市場での売買バランス
- 5.高利回り社債スプレッド(Junk Bond Demand):投資適格社債との利回り差
- 6.市場のボラティリティ(Market Volatility):VIX指数の水準と50日移動平均との比較
- 7.セーフヘイブン需要(Safe Haven Demand):株式と米国債のリターン差
スコアの見方
- •0〜25:Extreme Fear(極度の恐怖)。市場が極めて弱気な状態
- •25〜45:Fear(恐怖)。弱気センチメントが優勢
- •45〜55:Neutral(中立)。方向感がない状態
- •55〜75:Greed(欲望)。強気センチメントが優勢
- •75〜100:Extreme Greed(極度の欲望)。過熱した相場環境
一般的に、「Extreme Fear」に近い状態は長期投資家にとって「仕込みのチャンス」として参照されることがあります。一方で、「Extreme Greed」が続く局面では調整リスクが高まるとも言われます。ただし、これらはあくまで目安であり、必ずそうなるわけではありません。
活用する際の注意点
- •Fear & Greed Indexは米国株市場(主にS&P500)に特化した指標です。日本株などへの直接適用には注意が必要です
- •短期的なセンチメント変動を捉えるのは得意ですが、長期的なトレンドを示すものではありません
- •極度の恐怖が示されても、さらに株価が下落することがあります(「底を当てる」ことは困難です)
- •7指標の中にVIXが含まれているため、VIX指数とある程度相関します
- •CNNのサービスであるため、将来的に変更・廃止される可能性があります
Market Panic Scoreとの違い
Market Panic ScoreはFear & Greed Indexと目的が似ていますが、設計思想が異なります。主な違いは以下のとおりです。
- •Market Panic Scoreは長期投資家向けに設計されており、より長期的な「暴落・パニック状態」の把握を重視しています
- •ドローダウン(直近高値からの下落率)と200日SMAからの乖離率を重視しており、構造的な価格ダメージを捉えようとしています
- •日本株市場(TOPIX)にも対応しており、日本の個人投資家が参照しやすい設計を意識しています
- •スコアの方向性が逆です。Market Panic Scoreは「パニック度」(高いほど危機的)、Fear & Greed Indexは「欲望度」(高いほど強気)を示します
まとめ
Fear & Greed Indexは、市場のセンチメントを手軽に把握するための参考ツールとして広く使われています。単独での投資判断ではなく、複数の指標と組み合わせた補助情報として参照することが推奨されます。
注意事項
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の取得を推奨するものではありません。投資にはリスクが伴います。投資判断はご自身の責任において行ってください。